コンビニ人間 読了
本の紹介
村田 沙耶香さんによる「コンビニ人間」を読み上げた。youtubeの小説紹介で出会った本である。「普通とは」を説く素晴らしい小説である。
心の刺さった文章
耳と目は客の小さな動きっや意志をキャッチする大切なセンサーになる。必要以上に観察して不快にさせてしまわないように細心の注意を払いながら、キャッチした情報に従って素早く手を動かす。 P6
そのとき、私は、初めて、世界の部品になることができたのだった。私は、今、自分が生まれたと思った。世界の正常な部品としての私が、この日、確かに誕生したのだった。 P20
泉さんと菅原さんの表情を見て、ああ、私は今、上手に「人間」ができているんだ、と安堵する。この安堵を、コンビニエンスストアという場所で、何度繰り返しただろうか。 P29
そうか、左から治らなくてはならないんだ。治らないと、正常な人達に削除されるんだ。 P77
そうか。叱るのは、「こちら側」の人間だと思っているからなんだ。だから、何も問題は起きていないのに「あちら側」にいる姉より、問題だらけでも「こちら側」に姉がいる方が、妹はずっと嬉しいのだ。その方がずっと妹にとって理解可能な、正常な世界だ。 P124
「気がついたんです。私は人間である以上にコンビニ店員なんです。人間としていびつでも、たとえ食べていけなくてのたれ死んでも、そのことから逃れられないんです。私の細胞全部が、コンビニのために存在しているんです。」 P149
今後の自分へ
普通とは、その界隈の人たちの共通なものであって、他を受け入れている言葉ではないことを学んだ。境界線をはっきりさせることが難しいこの世の中で、どう「普通」を生きていくのか。きっとそんなことよりも「自分」が進みたい方向にわがままを通して歩いていくことが大切なのだと思う。「普通ではない」などと言われながら。でもその「普通ではない」はその界隈からしたらの話であることをゆめゆめ忘れるべからず。この気持ちをもっと歳をとっても持っていなければならない。子供達がどう進もうと、この思いを持って応援したいと思う。
最後に
何のために働くのか、なぜ子を育てるのか。普通はなく、みんながやっているからではなく、自分だけの特別な思いがあるからこそ、働き、子を育てる。人と違うから何だ。自分の特別な思いを大事にして生きていくことの大切さを説いている小説だと感じた。

